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転生 幼少期3

いつもの様に首の後ろに手をかけてストレッチをしていたら
誰かが入ってくる気配に気が付いた。

腹筋までして「起き上がっているところを見られなくて良かった」と焦った。


       *     *


目の前には、小さなレディが2人立っていた。
その姿は、ミニ母と例えるのがピッタリな幼女。

二人を柵の隙間から確認したショウは、初対面の二人に一瞬
驚いたものの直ぐに、姉弟なのだと気付いた。

姉の一人ががさんに手をかけて背伸びして観ようとしたが、すぐに諦めた。

2人は当然、ベビーベッドの高さに身長が足らず
柵の隙間から覗くしかできなかったので、
姉の方が、近くにあっただろう小さな木箱を持ってきて
踏み台の代わりにしてベッドに攀じ登ってきた。

頭がいいなと、ショウは内心、感心したが、でも 【お転婆なのかも?】と・・・。

姉は、ベッドの中に入り桟に腰を安定させ下を覗き込んで言った。

「マリア、キバコにのって、」
「うん、のったよ」
「りょうて あげて~」

妹の両手を持って持ち上げ、桟に捉まらせて片手で妹の腰を支え
次に脇に手を入れて持ち上げ、桟の上に座らせた。

そして、ベッドの中に下ろして、ひと心地ついた。


       *     *


「アオイねぇ・・このこがショウちゃん?」

「そうよ。マリアにそっくりよ。」

ベビーベッドに3人載っても頑丈に耐えている
ベッドの骨太さに気付いた。折り畳みでもなくアルミ製でもない。

 【姉のアオイは、幼稚園くらいかな?】
肩上まであるボブの黒髪に青い目で可愛い美幼女だが、お転婆だ。

左側に寝転んだマリアに笑いかけるショウ。

「ホッペ、やわらかい~(笑)~」
「ぷるぷる~」 二人にアソバレル・ショウ。

 【マリアちゃんは、2歳くらいかな?】
赤ちゃんを卒業したばかりって感じのキュートな女の子。
ブロンドのショートボブに茶色の瞳。舌足らずの高音ヴォイスはが魅力的
 

       *     *


 【姉上たち、頬っぺた、引っ張らないでくれます。】


心の中で、文句たれていると、キッと音を立てて扉が開いてメイドが入ってきた。

寝たふりをする姉二人。

「まあ、お二人とも此処に居らしたのですね。」

 【こいつら、どっか連れてってください―】

気を利かせて「シィ~」とかやっても良いけど
赤ん坊が、そんなことしたら小さな騒ぎになる。


       *     *


メイドは、マリアだけを抱き起こして連れて行った。

アオイは、メイドが、居なくなった隙に 「またね。」と言って逃げて行った。

メイドのディアナが戻って来て
「また、いない。どこに行ったのかしら。」

 【はい。逃げました。自分の部屋じゃないですか?】
人差し指を立ててチッチッチッとしたいけど、出来ないから座ってみた。

寝返りして、うつ伏せ状態から四つん這いになり、
正座して腕で体を起こし、コテンと座って胡座を崩して静止して
後ろに倒れるようにユックリ寝た。

「・・・・・・・?!!」

ディアナは、驚いて部屋を小走りに出て行った。


本来、親が見て感動するものだ。
それを自分が見てしまったばかりか、
誰かに支えられてやっと座れるようになる程度。
半年も早い「ハイハイ」や「立つ」素振りを見せたのだから
驚くのも無理はない。




       *     *
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